「今年こそ絶対痩せたい!」
そう意気込んでダイエットを始めたものの、なんだか疲れた・・・続けられる気がしない・・・あなたはどうですか?
実はそれ、ダイエットのやり方や目標が高すぎるのが原因かもしれません。
ダイエットはそもそも頑張るものではなく、良い習慣をコツコツと続けるもの。イベント的にダイエットに取り組んだり、SNSで見かけた短期痩せの情報に飛びついていては、続けられずに疲れてしまい、リバウンドにも繋がります。
本記事では痩せたいけどダイエットに疲れてしまった、という人に向けて、その原因とダイエットの見直しポイントを3つ解説します。
痩せたいけど疲れた原因4つ
痩せたいけど疲れた原因はおもに以下の4つです。
- 目標が高すぎる
- 体重に一喜一憂している
- 短期間で痩せようとしている
- 健康に悪影響が出ている
ひとつずつ詳しく解説しますので、どれに当てはまるかチェックしてみてください。
①目標が高すぎる
痩せたいけど疲れた原因の1つ目は、目標が高すぎることです。
SNSのインフルエンサーや、テレビに出るアイドルの身長・体重を見て目標を高く設定しすぎていませんか?
目標体重が適正かどうかは、BMIが適正かどうかで判断します。BMIとはBody Mass Indexの略で、体格指数とも言います。世界共通で使用されている計算方法で、体重÷身長(m)÷身長(m)で算出されます。
標準値は22とされており、厚生労働省が発表するBMIの基準範囲は、49歳以下で18.5以上、50歳以上では20.0以上となっています。

身長別・BMI18.5の体重は以下の通り。
- 150㎝で41.6㎏
- 155㎝で44.5㎏
- 160㎝で47.4㎏
- 165㎝で50.4㎏
- 170㎝で53.5㎏
この数値は最低ラインなので、この体重を目指す必要はありませんが、もしかしたらもっと低体重を目指している人もいるかもしれませんね。
もちろんBMIが18.5を下回っていても、健康に過ごしている人もいます。ダイエットを意識せずに過ごしていてその体重であれば、問題ありません。ただ、今もっと体重があるのに、ムリしてそこまで痩せようとしているのであれば、考え直してみてください。
あなたがダイエットしたい理由はなんですか?
きっとキレイになりたい、好きな服を着こなしたい、異性にもてたいなど、何か理由があってダイエットを始めたはず。
それなのに「痩せる」「〇㎏になる」といったことが目標になっていませんか?
また自分ではなく、友達や彼氏、SNSで見た誰かの意見を鵜呑みにして、目標を高く設定しすぎていませんか?
目標が高すぎると疲弊してしまいますので、自分がダイエットを始めた目的や、どうなりたいのかをもう一度見直してみる必要があるかもしれません。
②体重に一喜一憂している
痩せたいけど疲れた原因の2つ目は、体重に一喜一憂していることです。
ダイエットというと毎日朝晩、体重計とにらめっこ・・・なんてこと、してませんか?
体重が増えた、減ったというのは、数字で変化が見えやすいので、ダイエットがうまく進んでいるかどうかの指標にしている人が多いと思います。
ですがこの「毎日体重計に乗る」という行為、実はギャンブルと同じような精神状態になっているんです。
体重計に乗って、昨日より100gでも増えていたら落ち込むし、100gでも減っていたら嬉しい。そんな経験がある方は、体重計依存になっているかもしれません。
このときあなたの体の中で、どんなことが起きているかと言うと、
- 「体重が減っているかも」と期待する⇒体重計に乗る⇒体重が昨日よりも減っている⇒幸福感に包まれる(ドーパミンが出る)
- 「体重が減っていますように」と期待する⇒体重計に乗る⇒体重が昨日よりも増えている⇒絶望感に襲われる⇒幸福感を得るために食べる
ギャンブル依存症の人は、ギャンブルに勝つことでドーパミンが出て、だんだんドーパミンの効きが悪くなってくるのでより強い刺激を求めます。
体重計依存も似たようなもので、体重が減ることでドーパミンが出ますが、だんだん効きが悪くなってきてさらなる幸福感を求めてしまうのです。
毎日体重計の数値に一喜一憂してしまう人は、体重を測ることがダイエットに疲れたと感じる原因の一つになっているかもしれません。
③短期間で痩せようとしている
痩せたいけど疲れた原因の3つ目は、短期間で痩せようとしていることです。
SNSなどを見ていると「3ヶ月で‐10㎏!」「1ヶ月で‐5㎏!」といった短期痩せの情報で溢れています。そういった情報を見て「私も短期間で痩せたい」とがんばりすぎていませんか?
短期間で体重を落とすことは不可能ではありませんが、ほとんどの方が心や体に不調をきたしたり、反動でリバウンドしてしまいます。
また短期間で大幅に体重を落としたとしても、落ちた体重には脂肪だけではなく、水分や筋肉も含まれています。
脂肪1㎏を落とすためには、摂取カロリーよりも消費カロリーのほうが7200kcal多い状態を作る必要があります。1ヶ月で5㎏の脂肪を落とそうとすると、36000kcalものアンダーカロリーを作らなければならず、1日あたり1200kcalのマイナスです。
1200kcalというとほぼ1日分の食事ですから、ほとんど何も食べないということになります。
運動で1200kcal消費しようとすると、体重60㎏の人でおよそ2時間半の山登りが必要です。
つまり短期間で大幅減量するのはかなり難しいといえます。
ほかにも、人間の身体にはホメオスタシスという、体の状態を一定に保つ機能が備わっています。夏でも冬でもだいたい同じ体温を保てるのは、このホメオスタシスが働いているおかげです。
このホメオスタシスは飢餓状態でも働きます。遭難した人が、少しの食料と水だけで生き延びられるのは、ホメオスタシスが働いて体を省エネモードにし、消費カロリーを下げているからなんです。
短期間で体重が大幅に減ると、体は飢餓状態と判断してホメオスタシスが働き、省エネモードになってしまいます。そうすると摂取カロリーを減らしても消費カロリーよりも多い状態になるため、痩せなくなるのです。
これはダイエットの停滞期にも同じことが言えますが、特に短期痩せはその後やせにくくなることにも繋がりますし、体重が減らなくなることで「もうダイエットに疲れてしまった」という状態にもなりかねません。
④健康に悪影響が出ている
痩せたいけど疲れた原因の4つ目は、健康に悪影響が出ていることです。
すでに述べたように高すぎる目標や、短期痩せを狙ってムリなダイエットをすると、心身の健康に悪影響が出て疲れやすくなります。
特に食事を減らしすぎたり、栄養バランスが偏ることでこのような症状が出ることがあります。
- 貧血
- 甲状腺機能低下
- ホルモンバランスの乱れ
- 基礎代謝量の低下
- 免疫力の低下
- 抑うつ状態
ダイエットをすることに疲れただけではなく、実際にがんばりすぎて心身の不調が表れているかもしれません。
心と体の健康状態を見直してみてください。
ダイエット見直しポイント3つ
では痩せたいけど疲れた方のダイエット見直しポイントを3つ解説します。
- 目標設定
- ダイエットの評価基準
- ダイエット方法
自分に当てはまるものがあれば、ぜひ重点的に読んで見直してみてくださいね。
①目標設定
ダイエット見直しポイント1つ目は、目標設定です。
原因のところで述べたように、目標設定が高すぎたり、短期間で痩せようとしている人は、その目標を一度見直しましょう。
いきなり高い目標を立てたり、短期間で大幅に痩せるのは、継続が難しいどころかリバウンドのリスクも高いです。
「一時的に体重を落としたい、そのあと戻ってもかまわない」というのであれば良いですが、多くの方は「やせたらキープしたい」「もうダイエットで悩みたくない」と考えているのではないでしょうか。
具体的な目標ですが、体重を目標にするならばBMI20~22を目指しましょう。BMI22は標準体重、BMI20は美容体重と言われ、痩せすぎず太りすぎず、ちょうどよい体型と感じる方が多いでしょう。
BMIは体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)で計算し、身長別のBMI20/22の体重は以下の通りです。
- 150㎝:45㎏/49.5㎏
- 155㎝:48㎏/52.8㎏
- 160㎝:51.2㎏/56.3㎏
- 165㎝:54.5㎏/59.8㎏
- 170㎝:57.8㎏/63.6㎏
まずは今の体重より2~3㎏減らすことを目標とし、段階的に最終目標を目指していくと、ムリなくダイエットできます。
原因のところでも解説したように、短期間で大幅に減量するとホメオスタシスが働くため、体重が落ちないどころか基礎代謝が低下し、長期的に痩せにくい体になってしまいます。
体重減少の目安は1カ月で1~3%。60㎏なら0.6~1.8㎏、70㎏なら0.7~2.1㎏です。
月に5%以上の体重が減ると、体は省エネモードに入りますので、少しずつ減らしていくほうが結果的には痩せやすくなります。
期間や体重といった目標を見直し、ムリのないスケジュールを立てましょう。
②ダイエットの評価基準
ダイエット見直しポイント2つ目は、ダイエットの評価基準です。
目標設定のところで体重の目安について触れましたが、ダイエットがうまく進んでいるかどうかの評価基準を体重だけにするのは、おすすめしません。
原因でも解説した体重計依存にならないため、というのもありますが、もう一つ体重だけで評価しないほうが良い理由をお伝えします。
体重はあくまでも「体の重さ」です。体重が増えたから太った、体重が減ったから痩せた、と一概には言えません。なぜなら同じ重さでも、脂肪と筋肉は見た目が違うから。

体重が減っていても、筋肉が減っては健康的ではないし、見た目が細くなることはありません。逆に体重が増えても、筋肉が増えて脂肪が減れば、痩せて見えます。
また数日~1週間ほどで2・3㎏増減する体重は、ほとんどが水分や便です。すでに話したように脂肪1㎏は7200kcal。日常生活を送っていて、数日や1週間で7200kcalのアンダーカロリーを作ることは、かなり難しいです。つまり数日単位で脂肪が急に増えたり減ったりすることはほとんどありません。
ではダイエットがうまく進んでいるかどうか、何をもって評価すれば良いのかと言うと
- 体調が落ち着いているか(悪くなっていないか)
- 食欲が落ち着いているか
- 体重が増え続けていないか
この3点です。
いくら体重が順調に落ちていても、体調が悪くなっていたり、食欲が落ち着かず抑えているようであれば、あとから反動がきてドカ食いにつながります。
逆に体重が落ちていなくても、体調が良く食欲も落ち着いていれば、これから体重が落ち始めるサインである可能性が高いです。
ダイエットの原理原則はアンダーカロリーを作ること。それが継続できていれば、「痩せる」という結果はあとからついてきます。
体重を測るのは悪いことではありませんが、日々の増減ではなく、2週間~1ヶ月ぐらいの長い目で見て評価することが大切。長期的に見た時に、体重が右肩下がりになっていれば、ダイエットは順調に進んでいると評価できます。
③ダイエット方法
ダイエット見直しポイント3つ目は、ダイエット方法です。
ムリなダイエットは継続することが難しく、心身のバランスを崩しやすくなります。
特にこういったダイエットをしている・これから検討している方は注意してください。
- 特定の食材だけを食べる
- 特定の食材を食べない
- 特定の栄養素を摂らないor極端に減らす(特に糖質、脂質)
- 食事を基礎代謝以下に減らす
- 毎日激しい運動をする
- 断食やファスティング、置きかえ
上記のダイエット方法は、SNSなどでよく見かけますし「これで痩せました」とBeforeAfter写真まで載っていたら、「私もこれで痩せるかも」と飛びつきたくなるものです。
ですがよく考えてください。
あなたは糖質を摂るようになったから太ったのですか?
あなたは激しい運動をやめたから痩せなくなったのですか?
あなたはファスティングをやめたから太ったのですか?
おそらく違うと思います。あなたが太った、痩せない原因は、そういったダイエット方法をやめたからではなく、あなた自身の中に原因があるはずです。
あなた自身が食べすぎる原因や、代謝が落ちた原因がかならずあるはず。その原因を解消しないことには、どんなにがんばっても一時的に痩せてリバウンドする可能性が高いです。
ダイエットに疲れた人は、今取り組んでいる方法が本当に自分にとって必要なものなのか、見直してみてくださいね。

ダイエットよりも大切なものを見失わないで
そもそも『ダイエット』という言葉の語源は、古代ギリシア語の『Diaita(ディアイタ)』から来ています。
Diaitaの意味は生活様式・生活習慣・生き方。英単語『Diet』も食習慣・食生活という意味を持っています。
つまりダイエットとは、生きていくために大切な食事や生活のこと。食べることをガマンしたり、ムリして運動したり、心身を不健康にするためのものではないのです。
痩せてキレイになりたい、好きな服を着たい、そんな気持ちを持つことは悪いことではありません。ですが痩せたいがために、家族や友達との関係、仕事や趣味、健康を犠牲にするのは決して良いこととは言えません。
あなたの生活・人生には、ダイエット=痩せることよりも大切なことがたくさんあるはずです。
実は筆者自身も、2人目の産後に糖質制限をしたり、睡眠を削って運動し、心身のバランスを崩しました。
当時、上の娘は2歳で、まだまだ小さくて可愛い時期でしたが、ムリなダイエットのせいでイライラして優しくできませんでした。
今ではダイエットよりも家族と過ごす時間を最優先にしていますが、当時はダイエットのことで頭がいっぱいで、家族関係もうまくいっていませんでした。
あなたにとってダイエットより大切なものはたくさんあるはずです。大切な人、大切なものを失う前に、あなた自身のダイエットについて見直してみてくださいね。
まとめ
ダイエットに疲れた原因と見直しポイントをお伝えしました。
太った、痩せないのにはかならず原因があります。その原因を解消していけば、時間はかかってもかならず体重が減り、ダイエットに成功したといえる日が来ます。
ダイエットは短期的なイベントではなく、生活習慣を改善していくことが大切です。
これを機に、心身のバランスを崩すダイエットを見直してみてくださいね。
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