ダイエットでまずは3㎏減らしたい、標準体重から3㎏痩せたい。
SNSなんかでは、1ヶ月で-3㎏!3ヶ月で-10㎏!といった投稿も多く見ますが、実は短期間で大幅に体重を減らすと、リバウンドのリスクが高く、心身の健康を害することもあります。
この記事を見ている方の多くは、3㎏痩せた後キープしたいと考えているはず。そのためには無理のないペースで3㎏痩せることが大切です。
本記事では
- 3㎏痩せるためにはどのくらいの期間が必要なのか?
- 3㎏痩せるための具体的なステップ
- 3㎏痩せたい人へおすすめの食事メニュー
を紹介します。
3㎏痩せるために必要な期間
3kg痩せるためにどのくらいの期間が必要なのか、気になりますよね。
個人差はありますが、ムリなく痩せてリバウンドしないためには最低2ヶ月、できれば3ヶ月以上がおすすめです。
「SNSで見たあの人は、1週間で3㎏痩せてたよ!」と思う方もいるかもしれませんが、1~2週間といった短期間で減った3㎏は、脂肪ではなく水分や便がほとんどです。
では3㎏痩せるために、なぜ最低2ヶ月必要かというと、脂肪は短期間で減らせるものではないからです。
脂肪1㎏=7200kcalあり、3㎏減らすためには21600kcalのアンダーカロリーが必要です。
21600kcalとはご飯にするとお茶碗およそ90杯分。短期間でこれだけのアンダーカロリーを作るのはかなり難しいことがわかるでしょう。
2ヶ月で3㎏痩せるペースというと、21600kcal÷60日=360kcal、つまり1日あたり360kcal(ご飯茶碗およそ1.5杯分)をマイナスにする計算になります。摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やすことで
消費カロリー-摂取カロリー=360kcal
という状態を作ればよいということです。
ただしこれを2ヶ月間、毎日続けるのは大変です。特に女性は生理周期によって、食欲が増したり、腹痛や不快な症状のために運動できない、といったことが起こります。2ヶ月間であればがんばれるかもしれませんが、がんばった反動でドカ食いし、リバウンドによって3㎏以上の体重が増えることもあります。
体調も考慮すると、やはり3ヶ月以上かけてゆっくり3㎏落としていくほうが、リバウンドする可能性も少ないです。
また短期間で体重を一気に落とすことはデメリットもあります。体にはホメオスタシスという、体内の状態を一定に保つ働きが備わっています。飢餓状態になると省エネモードにし、消費カロリーを抑えることで身体の機能を維持しようとします。遭難した人が少しの水と食料でも生き延びることができるのも、ホメオスタシスのおかげです。
これはダイエットにおいても起こり、体重が短期間で大幅に減ると、体は飢餓状態と判断して基礎代謝量を低下させ、消費カロリーを減らします。
1ヶ月で5%以上の体重減少は、ホメオスタシスが働くと言われており、ムリなく痩せるためには1ヶ月あたり体重の1~3%減少するペースがおすすめ。
50㎏なら0.5~1.5㎏/月
60㎏なら0.6~1.8㎏/月
70㎏なら0.7~2.1㎏/月
となります。
繰り返しになりますが、リバウンドのリスクを減らして3㎏痩せるために必要な期間は、2~3ヶ月以上がおすすめです。
3㎏痩せるための3ステップ
ここからは3㎏痩せるための具体的な3ステップを紹介します。
- ステップ①現状把握
- ステップ②食事を整える
- ステップ③運動する
それぞれ詳しく解説します。
ステップ①現状把握
3㎏痩せるためにまず大切なのは、現状把握です。
先述したように、3㎏痩せるためには21600kcalのマイナスを作る必要があります。摂取カロリーと消費カロリーを把握するため
- 何をどのくらい食べているのか
- 運動量はどのくらいか
を知ることが大切です。
カロリー計算アプリには無料で使えるものもあるので、まずは1週間ほど大体の摂取カロリーを把握してみましょう。
次に消費カロリーですが、こちらも大体で良いので計算してみてください。消費カロリーは基礎代謝量×身体活動レベルで計算できますが、以下のサイトを使うと簡単に計算できます。
日本医師会のカロリー計算サイト
現状の摂取カロリー・消費カロリーが分かったら、その差がどのくらいあるのかを計算しましょう。
- 摂取カロリーと消費カロリーが大体同じ
- 摂取カロリーが消費カロリーよりも多い
- 摂取カロリーが消費カロリーよりも少ない
このうちどれに当てはまるかによって、次にやるべきことが変わってきます。
現状を把握せずにダイエットするのは、自分の現在地が分からないまま目的地を目指すのと同じです。現在地が分からなければ、どの方向に進めばいいのか、目的地までどのくらいの距離があって、どのくらいの時間がかかるのか、全くわかりませんよね。
現状を把握してから、次のステップに進みましょう。
ステップ②食事を整える
現状を把握したら、次に食事を整えます。
食事を整えるためには、具体的には以下の3点を意識してください。
- 摂取カロリーを決める
- PFCバランスを整える
- ビタミン・ミネラル・食物繊維を摂る
まず摂取カロリーの決め方ですが、体重×27~30kcalを目標にしましょう。50㎏なら1350~1500kcal、60㎏なら1620~1800kcal、70㎏なら1890~2100kcalとなります。
たとえば体重60㎏のAさんが、ステップ①で現状を把握したときに、摂取カロリー・消費カロリーどちらも大体1800kcalだったとします。
Aさんは1800kcalの摂取カロリーで60㎏の体重を維持しているので、痩せるためにはアンダーカロリーを作る必要があります。
1ヶ月で体重の1%:0.6㎏を減らすためには、4320kcalのアンダーカロリーを作らなければならず、1日あたり144kcalのマイナスを作れば良いという計算になります。
食事でアンダーカロリーを作るなら、毎日の摂取カロリーを1800-144=1656kcalに抑えると、1ヶ月0.6㎏、5カ月で3㎏痩せる計算になります。
ちなみにおよそ150kcalの食事は以下のような感じです。
- ご飯茶碗1/3杯
- 6枚切り食パン0.9枚
- 卵1.7個
- 肉じゃが0.9人前
- 牛丼0.2人前
- うどん0.6人前
- ラーメン0.3杯
- 納豆1.5パック
摂取カロリーの目標が決まったら、次にPFCバランスを整えます。PFCとは三大栄養素であるたんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の頭文字をとったもので、これらの栄養素のバランスのことを指します。
厚生労働省が推奨するPFCバランスは以下のとおり、P:F:C=13~20:20~30:50~65です。

この栄養バランスで食事を摂ると、低カロリー・低脂質でバランスがとりやすく、満腹感が高く、食欲が乱れにくいと言われています。
どんなに野菜をたくさん食べても、三大栄養素が適正量摂取できていないと、野菜のビタミンやミネラル、食物繊維は働くことができません。
まずは三大栄養素をバランスよく食べ、そのあと野菜や果物でビタミン・ミネラル・食物繊維を意識してとりましょう。
具体的な食事メニューについては後述しますので、参考にしてください。
ステップ③運動する
現状を把握し、食事が整ったら、最後に運動をします。
ダイエットのためには毎日何時間も運動しないといけない、と思っている方もいるかもしれませんが、実は運動よりも食事のほうが優先度は高いのです。
どんなに運動しても、食事でアンダーカロリーが作れていなければ、体は脂肪を燃やすことがないので、痩せることはありません。
ではどんな運動をすれば良いのかと言うと、これも現状にあわせて段階を踏んで進めましょう。
- 今ほとんど運動していない人は、日常生活で座る時間を減らす
- 歩数が6000歩以下の人は、今の歩数から1割増やす(4000歩なら4400歩に)
- 歩数が毎日6000歩以上の人は、週2回ほど心拍数が上がる運動をする
在宅ワークや小さい子どもがいて運動しない、という人は、日常生活でこまめに動いたり、座る時間を減らすことから始めましょう。
昔と比べて身体的負担は少なくなったとはいえ、しっかり家事をすることで意外とカロリーが消費されます。
座りっぱなしは姿勢が崩れたり、自律神経バランスが崩れる原因にもなるので、30分~1時間に1回は立ち上がる、軽くストレッチをするなど、同じ姿勢が続かないように気を付けましょう。
歩数を増やす場合にも、家の中でその場足踏みをするだけでも大丈夫。家事をしながら、子供と遊びながら、スマホの返信をしながら・・・ちょっとの意識で、歩数を増やすことができますよ。
今すでに歩数が確保できている人であれば、心拍数があがる運動をしましょう。心拍数が上がる運動とは具体的には
- 心拍数=138-(年齢÷2)
- 少し息が切れるが会話できる程度
を指します。普段より早く歩いてみたり、スロージョギングが取り入れやすいでしょう。
また家の中でできるHIIT(高強度インターバルトレーニング)もおすすめです。YouTubeなどでは、マンションでも安心の飛ばないHIIT動画もたくさんあります。生活パターンに合わせて、ムリなく続けられる運動をしましょう。
ただ運動をするうえで一つ注意してほしいことがあります。それは運動するための時間的・身体的・精神的余裕があるかどうか。仕事や育児で忙しく、睡眠時間が5時間しか確保できていないのに、ダイエットのために寝る間を惜しんで運動するのは逆効果です。
また睡眠はとれていても体が疲れていたり、精神的に疲弊しているときには、心身を休ませることを優先しましょう。
休息ありきの運動、ということを忘れないようにしてください。
3㎏痩せたい人の食事方法
痩せるためには食事を整えることが大切だとお伝えしましたが、実際に食事で気を付けるポイントをまとめました。
- 3食とも主食をとる
- 欠食しない
- よく噛んで食べる
- お腹がすいてから食べる
- 腹八分目を意識する
- 禁止食品を作らない
すでに話したように、痩せるためのPFCバランスでは50~65%が炭水化物です。炭水化物はおもに主食である米、パン、麺、いも類に多く含まれているので、主食を抜いたり減らすことでPFCバランスが崩れてしまいます。
主食を3回に分け、よく噛んでバランスよく食べましょう。
またお腹具合を意識して
- お腹が空いてから食べる
- お腹があまり空いていなければ軽めに済ませる
- 腹八分目で食べ終える
といったことを意識すると良いです。
禁止食品については、特にスイーツやジャンクフード、ポテチやラーメンなど、「食べたら太る」と禁止している人が多いですが、禁止すればするほど食べたくなる、という人間の心理があります。
もちろん食べなくて済むならそれで問題ないのですが、スイーツを食べたから絶対太るのかと言うと、そういうわけではありません。
世の中に食べるだけで太るものはなく、食べ過ぎるから太るのです。
「太りやすいものを食べないようにしよう」ではなく、「体に良いものを食べるようにしよう」と考えるほうが、ムリなく健康的な食事をとることができますよ。
3㎏痩せるための具体的な食事メニュー
では3㎏痩せるための具体的な食事メニュー例を、朝昼夕で紹介します。
朝食
朝食は簡単に準備できて、短時間で食べられるものだと続けやすいです。
- 納豆卵かけご飯
- オートミール粥(牛乳、バナナ)
- おにぎり+ゆで卵
- イングリッシュマフィン+目玉焼き
- バナナ+ヨーグルト
少なくとも炭水化物は摂り、たんぱく質も摂取できるとさらに良いでしょう。健康的な朝食を摂ることで、血糖値や食欲の安定につながり、自律神経も整います。
朝は忙しくてコーヒーだけ、菓子パンで済ませる、という人も多いと思いますが、そういった朝食は血糖値の乱高下を招き、食欲が乱れやすくなります。
朝食をしっかり摂ることで痩せやすくなるのであれば、やってみて損はないですよね。
昼食
昼食も三大栄養素をそろえ、野菜や果物でビタミン、ミネラル、食物繊維を摂るように意識しましょう。
- 和食の定食
- 幕ノ内弁当
- おにぎり+ゆで卵+インスタント味噌汁
- ベーグル+ヨーグルト
- ざるそば
昼食は社食や外食という人も多いでしょう。和食の定食スタイルだとバランスが取りやすいですが、外食は高カロリー・高脂質の場合があります。あんかけや炒め物よりは、シンプルな焼き魚定食などがおすすめです。
コンビニなどで買う場合は、主食(炭水化物)・主菜(たんぱく質)・副菜や汁物(ビタミン、ミネラル、食物繊維)を意識できると、バランスが取りやすくなりますよ。
夕食
夕食は疲れが出やすく、食べすぎにつながりやすいタイミング。バランスや量を意識していきましょう。
- ご飯+蒸し野菜や焼き魚+野菜の副菜+汁物
- 幕ノ内弁当+インスタント味噌汁
- ご飯+寄せ鍋
自炊であれば野菜を多めに摂れる鍋がおすすめ。汁物や副菜は、冷凍食品やお惣菜を活用するのも一つの手です。
筆者の個人的なおススメは冷凍弁当。カロリー計算されたメニューをバランスよく摂取でき、一人分ならすべて作るよりコスパもいいです。
また夕食は飲み会が入る方もいると思います。お酒を飲むときは水と交互に飲む、炭水化物もしっかり食べる、といったことを意識して、楽しむことも大切です。
3㎏痩せたら見た目はどう変わる?
3㎏痩せたら見た目がどう変わるかは、個人差が大きいというのが正直なところです。
たとえば100㎏の人が97㎏まで痩せるのと、55㎏の人が52㎏に痩せるのでは違いますし、減った体重が体脂肪なのか筋肉なのか、どのくらいの期間で3㎏痩せたのかによっても変わってきます。
個人差が大きいことを理解したうえで事例を紹介しますので、参考にしてみてください。


体重が3㎏落ちても、減ったのが水分や便、筋肉であれば、見た目では痩せたように見えません。ですが適度に食べて適度に運動し、3㎏の脂肪を落とすことができれば、見た目で「痩せたね」と言われるぐらい変わります。
体重は生活習慣の結果でしかない
3㎏痩せたいと思っているあなたは、「3㎏痩せる」が目的になっていませんか?
体重はあくまでも、生活習慣の結果でしかありません。50㎏の人は50㎏の、60㎏の人は60㎏の生活をしているのです。
特に年を重ねると、ただ痩せるだけでは老けてみえたり、疲れやすくなることもあります。まずは食事や運動といった生活習慣を見直し、ひとつずつ改善していきましょう。体重はあとから付いてきますよ。
まとめ
3㎏痩せたい人は最低2ヶ月以上かけて、少しずつダイエットしていきましょう。
焦って体重だけ落としても、リバウンドしてダイエット前より太ってしまった・・・そんな事態は避けたいですよね。
まずは現状を把握して、今の自分が見直すべきポイントを見つけてみてくださいね。
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